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児童養護施設を訪問して気づいた、いま私たちができること

2月某日、わたしたちはとある児童養護施設を尋ねました。いわゆる「孤児院」と呼ばれている施設です。そこで、わたしは今まで知らなかった事実とその課題を知り、この現状をより多くの方に伝えなければと思いました。訪問の際にわかった現状を、施設の方に教えて頂いたことを踏まえながら、お伝えできればと思います。

 

そもそも児童養護施設って?

児童福祉法41条によると、「児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童など、環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設」と定義されています。

 

映画やニュースなどで時々取り上げられていますが、ほとんどの方は実情を知らないと思います。わたしもそのうちの一人でしたので、初めて施設を訪れた時は正直驚きました。想像していたよりも遥かに立派な設備で、1日3食の食事、一人部屋の完備もあり、「施設の生活は恵まれているのだな」と初めは思いました。

 

しかし、決して恵まれているわけではありませんでした。施設の方に話を聞いていくと、子どもたちや両親・施設を取り巻く環境にある根深い問題を知ったのです。

 

孤児の一番の理由は育児放棄(ネグレクト)!?

みなさんは「孤児」と聞くと、どのようなイメージをお持ちですか?

「両親がいない子」「金銭的理由で育てられなかった子」「家庭内暴力(DV)を受けた子」などと想像できるかと思いますが、実は両親ともいないという子はほとんどいないそうです。

 

ではなぜ孤児になってしまうのか?

その一番の原因は育児放棄(ネグレクト)だと言います。

 

愛情を注ぐことができない親のもとに生まれた子どもが、育児放棄され、施設に入ることが多いのだそうです。

 

極めて難しい孤児院への入居

日本全国に児童養護施設は約600ほどあり、児童相談所から常時2万4千件ほど問い合わせが来るそうです。しかしそのうち施設に入居できるのはたった1割だけで、残りの9割は育児放棄やネグレクトを受ける家庭環境のまま育つという状況です。施設側も受け入れる体制が整っていないので、児童の入れ替わりが続いているのだそうです。

 

たとえ運良く施設に入ったとしても、大学まで進学できたのは15年で1人〜2人の人しかおらず、残りの大半も高校にすら通わない人がほとんどです。(訪問した施設の場合)

 

また、進学する高校も大半が偏差値の低い学校です。もちろん施設内でも勉強をする環境もあるのですが、なかなか勉強が続かないのだと施設の方は言います。

 

なぜ勉強が長続きしないのか?

勉強が続かない原因は育った家庭環境にあります。

アメリカの研究によると、乳幼児の育ち方で、ある程度の脳の構造が決まってしまうそうですが、施設に来る子どもは育児放棄や家庭内暴力を受け、親からネガティブなワードを言われ続け育っています。

 

そのため脳がある程度成長した時は普通の会話でさえネガティブに捉えてしまいます。たとえ家庭環境を整えたとしても、ポジティブに行動しようとしない脳になってしまっているので、いくら勉強しても知識が追いつかなかったり、発達障害になってしまったり、コミュニケーションを取ることが難しい子が増えてしまうという現状です。

 

そしてまた、その子が親になっても、「愛情の注ぎ方がわからない」という事態に陥っているのだそうです。

 

ただこの現状はすぐに変えられるものではなく、国の制度や法律、例えば親権などが密接に関わっているため、根本解決は難易度が高いものだと痛感しました。

 
なぜ勉強が長続きしないのか?

まず現状を知り、できることから始めましょう

さて、ここまで児童養護施設の現状をお伝えしましたが、みなさんはどのようにお考えでしょうか?「国を変えるなんてできない」「私にできることなんてない」とは、決して思わないでほしいです。


私たちにもできることはあります。それは、まず現状をきちんと知ることです。そして小さなことでも良いから、私たちができることを自分で考えて行動に移すことが大切です。


今後Candy Actionとしては、定期的にメンバーを募って社会福祉をされている施設や団体を表敬訪問したいと思っています。訪問先では、ボランティア活動や寄付などをしながら直接現状を見聞きすることで、自ら社会課題の本質を理解し、それをより多くの方へ伝えてまいります。


みなさんも現状についてインターネットや本などで調べてみたり、児童養護施設に支援をしている団体に少しでもいいから寄付をしたり、とできることから始めてみてはいかがでしょうか?

 

喜ばれる社会貢献を!

実は施設の方によると、この社会課題に目を向けて「ボランティアをしたい!」と手を挙げる方は非常に多いそうです。しかし中には、「子ども達と遊んで、一緒に勉強することで課題は解決できる」と表面的な誤った認識をしている方もいると伺いました。


この話を聞いて相手にとって喜ばれるボランティアでないと、社会貢献にはならないのだと気づかされ、私も自分の行動を見直すきっかけになりました。だからこそ今後も訪問を続けながら、きちんと理解をした上で本当に社会のためになる活動をしていきたいと思っています。


CandyActionは次のステップとして、”社会貢献をしたい方々”と”手助けを必要とする施設や団体”を繋げ、「社会貢献が当たり前」の世の中を構築していきます。具体的には「こんなボランティアがあれば嬉しい」という施設・団体と「こういうボランティアに参加したい」という学生・社会人をプラットフォーム上でマッチングをして、社会貢献がしやすい環境作りをお手伝いしていきます。みなさんのご参加もお待ちしております!

 

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